器用貧乏には「商売の限界値を限りなくさげること」という副作用があります
こんにちは、「事業経営と集客を体系的に学びたい自営業者の為の人気教室学園」校長でビジネスプロデューサーの齊藤直です。
自営業者をしていると「器用貧乏」になりがちではありませんか?
僕は今でこそ沢山の仲間に支えてもらっていますが、以前は器用貧乏最前線を歩いていました。
例えば、
・ブログをはじめ全ての記事を書くのは自分
・ニューズレターを作るのも自分
・ホームページを作るのも自分
・チラシを作るもの自分
・現場に出るのも自分
・現場の仲間をマネージメントするのも自分
という具合に、挙げればきりがない程、ありとあらゆることを自分でやっていました。
この器用貧乏、あるところまでは時間帯効果も費用対効果もいいので、絶対NGというわけではありません。
一人で商売をはじめた直後は、ある程度色々なことが自分でできることが望ましいでしょう。
しかし、この器用貧乏には副作用があります。
その副作用とは、「商売の限界値を限りなくさげること」
どんな商売にもある「お金を産む主軸」
辞書で器用貧乏を引くと
どのようなことでも一応はじょうずにできるため、かえって一つの事に集中できずに終わること。いろいろの事に手軽に役立つため、かえって大成しないさま。
と書いてあります。
「かえって大成しないさま」とは、器用貧乏の商売人にぴったりな言葉です。
例えば、花屋さん。
花屋さんの仕事は、
・お客さんが喜ぶ花を仕入れ
・お客さんの要望を少し上回るアレンジをして
・お客さんを喜ばせること
ですよね。
花屋さんはコレが本職で、コレをしているとお金が入ってきます。
そんな花屋さんが、自分の時間を使って、
・ニューズレター自分でつくる
・ホームページを自分でつくる
・チラシも自分でつくる
をしていたらどうでしょう。
考えなくてもわかりますが、当然「花を触っている時間が減る」わけです。
これが、器用貧乏の正体。
花屋さんは、花を触っている時間が長ければ長いほど儲かります。
魚屋さんは魚に触れている時間が長ければ長いほど儲かります。
彫刻家は、彫刻に費やす時間が長ければ長いほどいい作品が作れます。
どんな商売をしている人でも、みんな「お金を産む主軸」があるのです。
自営業を立ち上げるときって、多くの場合一人ですよね。
ですから、自営業者はみんな主軸以外のことを嫌でもしなくてはならず、気がつくと器用貧乏になっているのです。
しかし、上記の通り器用貧乏は商売の限界値を限りなくさげます。
ということで、自営業者もスタート時こそ器用さが必要であるものの、ある程度商売が形になってきたら、事務仕事や自分が苦手な仕事から順に、どんどん自分から切り離さなくてはいけません。
会社経営は器用貧乏の脱皮レース
ちなみに、商売の希望が大きくなって、自営業が会社経営になってくると、器用貧乏をハイスピードで脱して行かなければいけません。
なぜなら、「餅は餅屋」な業務分担をしないと、会社の生産性が高くならないからです。
先日、年商わけわからん億円の会社を経営する齊藤の先輩が、「オレは自分にできることは決して自分でしない。」と言っていました。
この一言は、凄いですね。
おそらくこれが、会社経営のゴールです。
自分ができること・自分にしかできないことをいつまでも自分がやっていると、いつまでたってもその業務ができるプレーヤーは自分だけ。怪我もできなければ病気もできませんし、欧米並みの長期休暇を取ることもできません。
これでは、会社の成長もあるところでストップしてしまいますね。
でも、自分ができることを他者に教え、自分の分身を一人またひとりと作っていったらどうでしょう。
そんなことは無い方がいいですが、社長のあなたが怪我をしても病気をしても会社の売上と収入にヒビが入ることはありませんし、欧米以上に長期休暇を取ることもできますね。
「自身の体が弱かったから人に頼らざるを得なかった」
商売の神様と言われる松下電気器具製作所(現・Panasonic)の創業者松下幸之助さんは、「自身の体が弱かったから人に頼らざるを得なかった」と自著で語られています。
これって、見方を変えれば、松下幸之助さんは他者を頼り育てることができたからこそ、世界に羽ばたく松下を作ることができたといえますよね。
この松下幸之助さんの事例からも起業家(社長)の仕事は、自身が有能になることではなく、有能な人の協力を得ることであることがよくわかりますね。
自戒の念を込め、起業家(社長)は、自身が有能になるのではなく、有能な人の協力を得ることに時間とお金を使いましょう。
まとめ
ということで今日は、「自営業者はもっと他社(ヒト)に頼ろう」というお話しをしました。
ビジネス用語に、BtoB BtoC とか言う用語があります。
BtoBとは、会社が会社相手に商売をすること。BtoCとは、会社が個人相手に商売をすることです。
いままでは、この2つのモデルのどちらを選ぶかが商売の入り口でした。
しかしこれからの時代は、上記に加え CtoC という「個人が個人を相手に商売をするビジネスモデル」が出てきます。
CtoC が当たり前になってくるこれからの時代は、自営業も他の自営業者とどれだけスピーディーにつながり、フットワークよく商売を展開することが求められ、評価の基準となるでしょう。