フリーランスが値段設定を間違えるとセルフブラックになる3つの理由
自営業1年生村上さん
齊藤さん、相談です。ありがたいことにお客さんは来てくれているのですが・・・売っても売ってもお金が残らないんです。これって何ででしょうか?
さいとう
村上さん、それは値段設定をミスっているのではないですか?ちゃんと利益ができる値段設定にしていますか?
自営業1年生村上さん
利益を考えるっていうのはわかるんです。でも、安いほうが喜んでもらえるし集客もしやすいですよね?
さいとう
いえいえ、それは村上さんの思い込みです。「フリーランス×安価=セルフブラック」ですよ!
今日の目次
脱セルフブラック!フリーランスなら知っておきたい値段設定の考え方
フリーランスでセルフブラックにならないためには、商品の値段設定を間違えないことです。
村上さんがそうであるように、商品の値段設定を間違えると、売っても売っても儲かりません。
ブラックサラリーマンは、ブラックでも給与が入ってきますが、ブラックフリーランスは最悪手取りが0円です。
独立というリスクを犯して、働きまくって、手取りが0円ってただの罰ゲーです。
ということで、フリーランスで仕事をするならセルフブラックにならないために値段設定の正しい考え方を身につけましょう。
フリーランスが値段設定を間違えてはいけない3つの理由
自営業1年生村上さん
セルフブラックにならないために、フリーランスは正しい値段設定をすべきっていうことはわかりました。ちなみに、何で値段設定を間違えてはいけないのでしょうか。
はい、フリーランスが値段設定を間違えてはいけない理由は大きく3つで、
フリーランスが値段設定を間違えてはいけない理由
- 安いとお客さんが喜ぶ!は思い込みだから
- 売っても売っても儲からないから
- その仕事が続けられないから
です。
解説しますね。
安いとお客さんが喜ぶ!は思い込みだから
1つ目の理由は、「安いとお客さんが喜ぶ!は思い込みだから」です。
普通に考えると「安い=喜んでもらえる」って思いますよね。
でもこれ、間違いなんです。
もちろん、価格は高いより安いほうが好まれます。
でもそれは「欲しい商品(サービス)が手に入る前提」の話です。
簡単に書くと
価格 < 欲しい商品(サービス)が手に入ること
ということ。
お客さんが欲しいのは、安くてダメなものではなく、適正価格で良いものです。
安いものを提供しても、それがお客さんの欲しいモノになっていなければ売れませんし怒られますのでここは気をつけましょう。
売っても売っても儲からないから
2つ目の理由は、「売っても売っても儲からないから」です。
これは、冒頭の村上さんと同じですね。
大前提の前提として「フリーランスは薄利多売ができない体質」です。
安いとお客さんに喜ばれるのは事実ですが、薄利で勝負できるのは大手だけです。
フリーランス(個人)がこれをするとアウト。
理由は、フリーランスって対象にできるお客さんの数が限られてるからです。
結論、フリーランスは価格で勝負しちゃダメ。
あと1000円安い方がいい、あと500円安いほうがいい!っていう人をお客さんには大手に行ってもらってください。
で、あなたは適正価格で値切りをしてこないお客さんに買ってもらいましょう。
適正価格で勝ってくれる人がお客さんになると、売っても売っても儲からない問題は便秘解消のあの日のようにスカッと爽やかに解決します。
その仕事が続けられないから
3つ目の理由は、「その仕事が続けられないから」です。
これは、売っても売っても儲からないからの延長線上にある話ですが、儲からないと事業って続きません。
「これをこの価格で届けてあげたい!」っていう思いがあっても、結局その仕事を続けりことができなければ意味ないです。
もっと言うと、「続く」ということは
=喜んでもらえているということで
=受け入れられている
ということです。
安価で届けることより、続けられることを意識してみましょう。
実話・値段設定の見直しで脱セルフブラックのフリーランス!
自営業1年生村上さん
ありがとうございます。何で値段設定を間違えてはいけないのか理解できました。そして、継続するために利益を出すことが重要ということもわかりました。
でも何だか難しそう。値段設定を直したからこうなった!みたいな事例ってありますか?
でも何だか難しそう。値段設定を直したからこうなった!みたいな事例ってありますか?
もちろんありますよ。
その事例は山程ありますが、インパクトあると思うので、今日は齊藤が主宰するNPOの事例をお話します。
値段設定の見直しで20年活動ができているNPO法人
プロフィールにも書いてありますが、齊藤はコンサルティングの仕事と別途NPO法人を主催しています。
このNPOでは、障害児者にスポーツ指導をしているのですが、僕はこの勉強を学生時代アメリカでして、これを日本でしたい!という思いだけで、日本の活動をスタートしました。
その値付けができている背景に何があるのかなどは特に考えず、アメリカで見たものをそのまま真似して
・3000円のクライミング教室を参加者4名、スタッフ4名
とかで行っていました。
当然、利益出ません。
利益が出ないどころか、往復交通費も出ないので電車代は自腹でした。
恥ずかしい話ですが、「やりたいことをやるんだから、これも仕方が無いかなー」って思っていました。
でも、何回か活動をするとこの自腹が笑えないほど厳しくなり、どうしようか悩んだ結果、当たればラッキー!の助成金申請をすることにしました。
運良く、1・2件の助成金が取れたのでこの瞬間は活動をすることができたのですが、自民党から民主党になった2009年の刷新会議で採択される予定だった事業が「不採用事業」とり、あと2週間で新年度スタートというタイミングで、次年度予算0円となってしまったんです。
このときは、めちゃくちゃへこみましたし「あー、終わったー!」って思いました。
時間がなさすぎてお金の問題をどうすることもできず、ゴメンナサイのお手紙を生徒さんに送ったところ「参加費が上がってもいいから、指導して欲しい、教えて欲しい!」という嬉しい声を頂いたんです。
僕は8割の生徒が居なくなると思っていたのですが、結果8割の生徒が残ってくれたんです。
もう嬉しくて嬉しくて。
ここからは、いただく対価以上のサービスをしようと、技術とサービスを徹底して磨くことにしました。
それから10年以上、助成金に頼ることなくNPOを経営することができています。
もちろん、NPOという法人特性上、参加費は可能な限り下げることが望ましいので、これからもスポンサーの獲得など、行うべき企業努力はし続けます。
でも今日この話でお伝えしたいのは、NPOでも「価格 < 欲しい商品(サービス)が手に入ること」という構図は成立するんだよということ。
つまりNPOという組織体系であっても
- 安価にすること:better(ベター)
- 良い商品(サービス)を届けること:must(マスト)
が喜ばれるんです。
だもん、フリーランスのあなたもこの構図はの実施が喜ばれるこ必至です。
「そうは言っても高いと売れませんよね?」
自営業1年生村上さん
齊藤さん、ありがとうございます。めちゃくちゃ説得力があって、私も値段設定をちゃんと見直して、セルフブラックを抜け出そうと思えました。
でも正直、値段を変えると今のお客さんが居なくなっちゃいそうで怖いです。
でも正直、値段を変えると今のお客さんが居なくなっちゃいそうで怖いです。
その気持は良くわかります!僕も経験しましたからね。
これについて、まず伝えたい事実は
・気持ちはわかるけど、値段設定を買えないとセルフブラックをやめられない
・セルフブラックをやめられない=いつかはその仕事ができなくなる
・そうなったら、元も子もない
ということです。
ということで、これは小手先のテクニックですが、
- 今いるお客さん(既存客)には◯月から新価格になります。などの猶予を出す
- これからのお客さん(新規客)は今日から新価格での受付とする
としてみてください。
こうすることで、村上さんも今日から適正価格で商品を販売することができるようになります。
「価格 < 欲しい商品(サービス)が手に入ること」という顧客心理は、齊藤の推測ではなく事実です。
ぜひ新規のお客さんは新価格で募集することからスタート、セルフブラックのフリーランス卒業計画を動かしてみましょう。
正しい値段設定を学んでセルフブラックのフリーランスを卒業しよう
ということで今日は、「脱セルフブラック!フリーランスなら知っておきたい値段設定の考え方」というお話でした。
商品の値段設定を間違えていると、フリーランスはセルフブラックから抜け出せない
お客さんの心理は「価格 < 欲しい商品(サービス)が手に入ること」ということ
をよく理解、値段設定を見直してセルフブラックのフリーランスを卒業しましょう!
自営業.com新聞の登録もお忘れなく
「このブログを毎日読みに来たいけど、忙しくて読みに来れない日もある!」という方のために、『自営業.com新聞』をLINEでお届けしています。登録はわずか2ステップ、5秒で終わりますのでまだの方は今すぐどうぞ!